女性総合外来・更年期外来(女性内科)
女性総合外来・更年期外来(女性内科)
女性は男性より、ライフサイクルがはっきりしています。思春期に月経が始まり、月経がある期間は、およそ1ヶ月毎の月経周期とともに、体調が変化します。また、卵巣機能が衰える「更年期」には、女性ホルモンの血中濃度の変動が不安定になり、体の不調を感じ、日常生活に支障をきたすこともあります。
閉経後は、血液中のエストロゲン量が低下するため、骨が減ったり、動脈硬化が加速したり、急速に老化が進みます。それ以外にも女性はそのライフステージにより、注意が必要な疾患があります。(図1)女性総合外来は、このような女性の特徴、疾患の性差、ジェンダー面に配慮した専門外来です。

特に更年期の方は、女性ホルモンが低下することで、様々な心身の症状が出現し、老年期に問題となる疾患が潜在的に進行する時期です。「女性」を総合的に診療する外来で、その方の更年期のリスクを見極め、今と、未来に備える提案をしています。
一方で、更年期症状だと思われていた症状が実は、悪性腫瘍や甲状腺疾患などの内分泌疾患が原因のこともあります。更年期症状と決めつけることなく、血液検査、画像検査などにより、鑑別をした上で、それぞれの原因に応じた治療を行います。
当院には、現在、または過去に東大病院で女性総合外来を担当した「加齢」と「性差」を専門とする女性医師が揃っています。安心してご受診ください。
こんな人に当院専門外来がおすすめです。
- 月経前や月経中に、イライラ、頭痛、便秘、倦怠感など、気分や体調に変調あり、日常生活や仕事に支障がある。
- PMS(月経前症候群)について、診療を受けたい。
- 今の症状が更年期症状なのか知りたい。
- 体調不良や、気になる症状があるが、何科を受診すれば良いのかわからない。
- 他の医療期間を受診したが、解決しなかった。
- 漢方治療を受けてみたい。
- 女性ホルモン補充療法に興味がある。
- 臓器ではなく、全体を診て欲しい。
- 老年期に備えて、これからの人生のパートナードクターを探している。

更年期とは
更年期とは、加齢に伴う卵巣機能の低下が原因で閉経を迎える前後の期間を指し、およそ45歳から55歳頃までの10年間を指します。
卵巣機能は40代の半ばで衰え月経は次第に不順になり、排卵がなくなり(無排卵性月経)、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少していきます。ホルモンバランスが不安定になることで、様々な症状に悩まされることが多くなります。更年期症状のために、日常生活に障害が出るようになると更年期障害と呼びます。
閉経後も卵巣からは少量のエストロゲン分泌が認められ、閉経後5年ぐらいでほぼ完全に停止します。エストロゲンは、生殖機能だけではなく、全身の様々な臓器に作用があるホルモンなので、低下することで全身の老化が進み、老年期に問題となる疾患が進行していきます。そのため、更年期は老年期への備えをスタートする適齢期といえます。

更年期障害の主な症状
下記が主な更年期障害の症状です。
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自律神経失調症状
- のぼせ、発汗、寒気、動悸、疲労感、頭痛、肩こり、めまい、睡眠障害
- 胸痛、胸部圧迫感、息苦しさ
- 便秘、下痢、腹痛、嘔吐
- かゆみ、乾燥感、湿疹、蟻走感
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精神的な症状
- 情緒不安定、いらいら、怒りっぽい
- 抑うつ気分、涙もろくなる、意欲低下
- 不安感、記憶力低下、集中力低下
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その他の症状
- 腰痛、関節痛、むくみ感、しびれ、筋肉痛、しびれ
診断・検査について
血液検査、尿検査
エストロゲンや卵胞刺激ホルモン(FSH)などのホルモン濃度を調べることで、更年期に関連するホルモンバランスの変化を確認します。
また、甲状腺ホルモンや血糖値、コレステロール値、骨代謝マーカ―など、他の疾患との鑑別疾患や更年期とこれからの健康上のリスクを調べることもあります。
その他の検査
心臓疾患や動脈硬化に関する検査
心電図、ホルター心電図検査、脈波検査、頸動脈エコー検査
骨粗鬆症の検査
胸腰椎X線検査、腰椎・大腿骨骨密度測定(DEXA法)
その他
- 腹部超音波検査、乳房超音波検査、他院へ依頼の上、C T、M R I検査などを行うこともあります。
- 栄養評価:BDHQ法を用いた評価を用い、栄養指導の中で、栄養バランスの評価を行います。
主な治療法
医師の診断により主に下記の治療法を行っていきます。
非薬物療法
生活に関するアドバイス
不規則な生活は体内時計の乱れにつながりますし、ストレス、不適切な食習慣、運動不足などは、更年期症状を悪化させ、長引かせることにつながります。更年期は、私生活では育児や介護、職場では仕事が忙しく、責任が重くなる時期となることも多いです。
栄養へのアプローチ
管理栄養士による栄養指導が受けられます。BDHQ法による栄養評価、オーソモレキュラーの考え方を取り入れた栄養指導により、食生活を見直しましょう。必要なサプリメントの紹介もしています。
カウンセリング
専門の臨床心理士によるカウンセリングが受けられます。専門家とともに、自身の考え方や、気持ちに向かい合うことで、現在、未来のストレス対策につながります。
薬物療法
ホルモン補充療法
エストロゲン製剤により更年期症状を緩和する方法です。ただし、乳がんや血栓症などのリスクが高まる可能性もあるため、リスクとベネフィットを鑑みて、十分に相談して決定いたします。
血管運動神経症状(ほてりやのぼせ)や、精神神経症状に対し使用され、特に、Hot Flushに有効とされています。子宮を有する例では、子宮体ガン予防のためにプロゲステロンを併用しつつ、定期的な検診が必要ですし、全ての方で乳癌検診も必須です。
漢方薬治療
女性の3大処方と言われる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」は、それぞれ、血虚+水毒、瘀血、気逆の処方として知られています。
当外来では、気血水に関する問診票を記入していただき、下記の処方以外にも、東洋医学的考え方、診察に基づき、その方の「証」=漢方の診断に応じた漢方薬を積極的に治療に取り入れています。
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当帰芍薬散
(とうきしゃくやくさん) 主に生理痛や月経不順、冷え性、不妊症などの症状に対して用いられる漢方薬。
血行を改善し、子宮の筋肉を緩和させることで、生理痛を緩和し、月経を正常に整える効果があります。
<血虚+水毒を中心に、瘀血に対する作用もあります> -
加味逍遥散
(かみしょうようさん) イライラや不安、頭痛、めまい、のぼせなど、更年期障害や生理不順に伴う症状に効果があるとされています。血行を改善し、自律神経を安定させ、ホルモンバランスを整える作用が期待されます。
<気逆を中心に、血、水に対する作用もあります。> -
桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん) むくみや冷え性、生理不順、月経困難症などの症状に対して用いられる漢方薬です。血行を促進し、体内の水分代謝を改善することで、ホルモンバランスを整える効果があります。
<瘀血を中心に、気逆や水毒への作用もあります。>
参考サイト
更年期や更年期症状など、女性の健康の詳しい情報は、下記サイトに記載されています。ぜひご覧になり、正しい情報に触れてください。またご覧になった上で、ご自身の症状について気になる方は早めの受診をお勧めいたします。
